「共に生きる」子どもたちの教育を受ける権利を守る

2014年4月4日 14時07分 | カテゴリー: 活動報告

◆共に生きる

 神奈川ネットがビビンバネット(=神奈川の朝鮮学校と多文化共生を考えるネットワーク)と協力して、「かながわ『共に生きる』学習会」を3回シリーズで開催しました。この学習会の企画は、神奈川県知事が、昨年2月に北朝鮮が行った核実験を理由に朝鮮学校への補助金を打ち切ったことがきっかけで、「多文化共生」を政策として掲げる神奈川で、16万人の外国籍市民の状況について、同じ神奈川に暮らす市民としてあらためて学ぶことが必要だと感じたことがはじまりです。

  2014年度の神奈川県の予算案に、あらたに外国人学校の児童・生徒への学費補助の予算が盛りこまれ、第3回目の学習会は、ちょうど予算委員会の開催時と重なりました。学習会を通じて、「共に生きる」ことは、共にかわり、多様性を認め合うこと、さらに在日朝鮮人政策や民族教育の歴史を学び、同じ地域に住み育つ子どもたちの学ぶ権利について関心を持つ市民を、今こそ拡げることが必要だと実感しました。

 ◆外国人学校の児童・生徒を対象にした学費補助制度の導入

 最終的には、外国人学校の児童・生徒を対象にした学費補助制度導入することが県議会の本会議で全会一致で可決されました。これによって、朝鮮学校はじめ県内の外国人学校10校に直接交付してきた経常費補助は廃止され、あらたに各世帯への学費補助という形に切り替わります。補助金打ち切りの長期化による学業への影響を抑えるためになんとか知恵を絞り、朝鮮学校、県議会、県当局が出した苦渋の結論だったのでしょう。

 しかしながら予算委員会後の記者発表では、知事からは、議論をふりだしに戻しかねないような「中身を見て判断する。日本人が見て拉致に真正面から向き合っていると思うかも問われる」といった発言もありました。補助金を口実に教科書の記述内容にまで踏み込むようなことには同意しかねます。

◆同じ地域に育つ子どもたちの学ぶ権利を守る

 本来子どもたちの学ぶ権利は、外交問題や政治情勢の影響によらず守られなければなりません。教育や人権をとりまく環境には変化がありますが、横浜市も2012年度まで、基本的に子どもへの教育と外交問題は切り離して考えられてきており、外国人学校への補助金交付の必要性は引き続きあると評価してきたはずです。しかし、この間残念ながら、日本と北朝鮮の間に横たわる諸課題を理由に、朝鮮学校に学ぶ子どもたちが、様々な困難にさらされています。

 横浜市においても、2013年度以降「横浜市私立外国人学校補助金交付要綱」が改定され、国際情勢を鑑み、市長が認めた外国人学校に対して補助の対象としないことが追加されました。これによって補助金の執行が見送られ、2014年度も予算化されてはいるものの、朝鮮学校への執行の見通しがありません。

 国は制裁・圧力から対話・信頼関係の構築へ舵をきりました。神奈川県は外国人学校の児童生徒を対象に授業料を支援する事業を創設しました。横浜市の本事業については、市民からも必要性を認める声が高まっています。ぜひ2014年度に何らかの対応をされることを期待します。